堀江貴文 拝金 ブラックマーケット black market.

堀江貴文 拝金

拝金

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【ジャンル】 小説
【題名】 拝金 (はいきん)
【著者】 堀江貴文 (ほりえ たかふみ)
【発売日】 2010年6月17日
【出版社】 徳間書店
【ページ数】 272ページ

総評

小説「拝金」は、ホリエモンこと堀江貴文氏が書き下ろした小説。
「拝金」という言葉は、簡単に言えば「お金第一主義」という意味だ。

皆さんは、2005年頃に起きた「ライブドア事件」の事を覚えているだろうか。
当時IT企業の若手社長としてノリにノっていた堀江貴文氏が、なんだか難しい名前の容疑で逮捕されて、ブタ箱に放り込まれたあの事件・・・
「うちの息子もあんな立派な青年実業家になって欲しいわ。」と褒め称えていたおばちゃん連中が、あの事件を境に手のひらを返して彼の悪口を言い始めた。
自分の将来に不安を感じていた当時の若者達は、少なからずホリエモンに憧れを抱き一筋の光を見出していたことだろう。
その一筋の光が、あの事件で一瞬にして暗闇へと消えてしまったのだ。
そいういった意味で、あれは日本中の国民に衝撃を与えた事件だったと言える。

さて、あれから5年の月日が経ったが、あの事件の“本当のところ”はどうだったのだろうか。
果たして、ホリエモンは真の犯罪者なのか・・・
小説「拝金」には、大学生時代から刑務所暮らしを終えるまでの堀江貴文氏の人生がフィクションで描かれている。
ストーリーの軸となるのはもちろん「ライブドア事件」。
この事件には株式が深く関係しているので、読むのに抵抗がある人も多いと思うが、小説「拝金」は、そんな人でも気軽に読める内容になっている。
また、“フィクション”だからこそ描ける“ノンフィクション”が至る所に隠されているので、読み応えは申し分なし。小説「拝金」には、皆さんが知らない“驚くべき真実”が記されている。

「拝金」を読んだ私の感想を述べる・・・
ライブドア事件をただの“単発の出来事”として捉えて良いのだろうかと考えさせられた。
近年“足利事件をめぐる菅谷さんの冤罪”“大阪地検特捜部のフロッピーディスク改ざん事件”など、いわゆる“国策捜査”の問題点が明るみになる事件がマスコミに大きく採り上げられた。
その背景には、なんらかの意図が働いていると言えるが、ライブドア事件もその中の一つに入るのではないだろうか・・・
資本主義国家に身を置いている以上、物事を損得で考えてしまう習慣はある意味、私たちに深く根付いた文化のひとつだ。
それが悪いとも思わないし、そうでなければ国の発展はない。
しかし、全国民に与えられた平等の権利を“巨大な権力”で捻じ伏せてしまうのは、完全なるルール違反ではないだろうか。
世間を揺るがす大きな事件の背景には、必ず“損をする人”と“得をする人”が存在している。
その事を踏まえて「拝金」を読んでもらえば、私が言わんとしている事が分かって頂けると思う。


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